突然ですが、Windowsタブレットとデスクトップにのみできるある裏技…リモート筆圧感知をご存知でしょうか?
Windowsタブレットでリモートデスクトップすると、リモート先の性能でペンタブの筆圧が効いてしまうという仕様です。これとVPNを組み合わせることで、どこでもデスクトップPCの性能でスカルプトなどが可能になります。
しかし、これには重大な欠点がありました。Windows同士でしか使えず、かつまともな描き味のWindowsタブレットはもうないため、ようするにこの裏技は実用的でないのです。
しかし、これと同じことがLinuxとiPadでできる手段を発掘してしまいました。
リモートでペンタブクリエイトできる。そう、Linuxならね。
その名もWeylus
かんたんに言っちゃえばLinuxデスクトップのミラーリングをブラウザで行うユーティリティソフトです。ブラウザで完結するのでどんな端末でも使えます。iPadでも無料。
そしてApple Pencilを始めとしたペンの筆圧が効きます。どうなってんのって話ですが、ドキュメントを見るにブラウザに筆圧情報を送る手段をFirefox等が公開しており、それで出来ちゃうらしいです。謎技術すぎる。
無線で繋がり(Lanケーブルをハブでつなげば有線も可)、アプリのウィンドウにフォーカスすることも可能。
そして恐ろしいのがVPN越しに動く、つまりいつでもどこでもCorei7やi9、Ryzen7や9の処理能力でBlenderやKritaを動かせるのです。やばすぎます。ワークフローがゆるぎます。
手順紹介
ということで手順を紹介。
本体のインストール
私はManjaroなのでyayで一発でした。
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ポート開放
使用ポートを開けます。今回はufw。
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権限付与
uinput権限が必要なのでグループ作成、ユーザーを追加。
カーネルにも権限を追加。
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このあと再起動。コマンドを使ってもいいらしいですがどのみち再起動したほうがよさげです。
Waylandの方はこのあと追加設定が必要ですが正直それでもX11にあるものが使えないのでX11のほうがいいです。xfceおすすめ。
起動
コマンドかランチャーから起動、適宜操作。
私のManjaro xfceではなんにも文字が出ない心眼仕様にされましたが、シンプルなUIなので大丈夫だと思います。
上段左が自動起動チェック、右がWayland互換。下段左がRadeonまたはIntelハードウェアアクセラレーション、右がGeforceアクセラレーションです。上のテキストボックスは初期値でOK。
設定したらボタンをクリック、QRコードをカメラで読み込みます。クライアント側でStretchを切っておくといいでしょう。解像度が足りないかもしれませんが次項で解決します。
Safariから開いて共有メニュー>ホーム画面に追加、以後はそこから開けばツールバーを消せます。ただしこの場合IPが変わるとアクセスできなくなるのでIPをルーターから固定しておきましょう。
応用…VNC併用でスマホをトラックパッドに
あとはこれでVPN越しにも筆圧が効きます。が、iPadでは困った事 態が起きました。キーボードが効きません。
どうもiOSの仕様でキーコードをブラウザが吸ってしまうらしく、サーバーに反映されないのです。おのれApple
ではどうするか。かんたんです。x0vncserverを併用してスマホをトラックパッドにすればキーボードもそちらにつないで反映させることができます。画面の拡大もできるのでカーソル操作もしやすくなるおまけ付きです。どうせ同じサーバーにつないでいるのだからどちらから入力しても両方に反映されるわけです。
x0vncserverは記事の範囲外なのでご自分で導入をお願いします(丸投げ)でもかんたんです。ここまでできたならできます。
自動起動
最後に自動起動セッションにweylus --no-gui
をセットで設定終了。以後は起動と同時にWeylusサーバーが起動します。
Linux最高
まさかWindowsをLinuxとiPadが超えていくとは思いませんでした。
正直外出先ではもう12.9Proに資料閲覧用のFire HD 10かなんかで事足りてしまいそうです。はっきり言ってこれとBlenderとKritaのおかげでWindowsを超えました。もう古いえちえちゲーが必須でもなければLinuxしか勝たん割とマジで。
みなさん、騙されたと思ってLinux入れてみてはいかがかな…仕事変わるよ…?